しゅららぼん
万城目学さんの「偉大なる、しゅららぼん」を読みました。
あああ…映画で見たのに、こんなに覚えてなかったとは!
何をしていたかは覚えてるんですが、何のためにそうしてたか、ストーリーはあんまり覚えてなかった…。
それにしても、万城目さんの小説はスゴイですね。
歴史SFミステリーアクションコメディという感じで、また、青春小説の趣もある。
ジャンルに分けられないところがスゴイ(笑)
しかも、長編でもあっという間に読めてしまうような軽さもあります。
「とっぴんぱらりの風太郎」も読みたいな。
そしてまた映画の「しゅららぼん」を見たくなりました。
テレビでやらないかな。

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小説「利休にたずねよ」
もう先月の前半の話なんですが、以前映画で見た「利休にたずねよ」の原作の小説を読みました(先月は「怒涛の四月」で、いろんなことが後回しになってしまい、この感想も今月に先延ばしになっちゃいました)。
映画では回想シーンを除いてほとんどは時系列で進むのですが、小説ではいろんな時期のいろんな利休(宗易・与四郎)が、いろんな人の目を通して描かれています(映画に出てこない人もたくさんいます)。利休本人の目を通して見た描写もあります。
そこに浮かび上がるのは、映画の利休以上に「美」を追求し、時にエゴイスティックに見える利休の姿(時に…というより半分以上エゴイスティックかも(笑))。
今日の茶道の世界では神様のようにあがめられる利休ですが(映画はそのあたりのことも考慮して作られたのかもしれません)、ものすごく「人間」です。優秀であるあまりに、鋭すぎて熱すぎて、切なすぎる男でした。
まだ与四郎だった若い日の悲しい出来事が利休の「美」の原点であり、彼はそれにまつわる「死」にとらわれている…と、映画を見た時には感じましたが、小説では、その悲しみも、死も、「美」のための糧としているんじゃないかと思うほどのエゴイズムがありました。
秀吉が彼に切腹を命じたのも、一言も語らずとも彼の体から発するエゴイズムに苛立ち、打ちのめされ、翻弄された結果なのかもな…と思いました(もちろん、秀吉にも浅はかなところはあっただろうけど)。

静かながら強烈、。研ぎ澄まされていながら激しい。そんな印象がのこる小説でした。
「天上の虹」完結
開始から32年、大河歴史ロマン「天上の虹」がついに完結しました。
(このニュースが新聞に載ってオドロキ!いつの間にか国民的少女漫画になっていたんですね。)
雑誌に連載してたときから知ってるんですが(と言っても初回から知ってるわけじゃないけど)、雑誌が廃刊になったり、書き下ろしの最中に里中先生が忙しくなったり、いろいろとあったので、長かったな~という感じ。
私はこの作品があったおかげで古代史や万葉集への目を開かされ、当時の血族結婚による煩雑な系図も頭に入りました。
読み始めて20年以上、長かったけど、楽しかったな~!
ファンの間では「讃良の最期の時に誰が迎えに来るか」ということが話題になったりしましたが…これは、ラストまで読んでいただければ分かります(ネタバレ防止)。

ともあれ、里中先生お疲れ様でした。
また歴史漫画描いてくださいね。
三浦しをん「仏果を得ず」
この間のブログでちょっと書いた「仏果を得ず」の感想です。

読書といえば歴史小説や歴史関係のエッセイばかり読んでいる私にとっては、久々の現代小説。
しかし、物語の中身は文楽に生きる青年の話。なので、現代といってもまあ半分江戸時代感覚で手に取ってみました(笑)。
文楽の太夫であること以外は普通の兄ちゃんである主人公・健がいろいろ回り道して文楽の中の人物への共感を深めていく姿。「どこの世界も、いつの時代も変わらんなあ」と思えるような、現代の文楽の世界や人間関係。どうも一筋縄ではいかない健の恋。そして、健や師匠・銀太夫をはじめ、文楽を愛しすぎて「文楽の鬼」となっている男たちの、熱く厳しいながらもどこか楽しげな様子。
それらが綯い交ぜになって流れていく物語は、もっちゃりとした大阪弁と相まって、本人たちにはさぞ深刻であろうシーンでも、どこかおかしく、思わず笑ってしまうような明るさにあふれています。
「仏果を得ず」というのは、悟りを開かないというような意味なのですが、それは、人間らしく迷い、悩み、ふらふらする文楽の中の人物たちの姿であり、「変に悟ったりせんと、死ぬまで文楽の世界でもがきながら戦い抜くでぇ~」という「文楽の鬼」たちの朗らかな宣言なのでしょう。
「皆さん迷いなはれ、悩みなはれ、それが生きてるっちゅうことですわ」…というような、はるか昔の浄瑠璃作者たちの笑い声まで聞こえてきそうな物語でした。
二度美味しい
最近見ているドラマは、「おそろし―三島屋変調百物語―」。
私は既に原作も読んでいるのですが、少し前のことなので忘れているところもあって、また新たな気持ちで見ています。
怖いけど、どこか哀しく、優しく、ホラーというよりは人間ドラマの趣があります。
主人公・おちかを演じる波瑠さんもイメージぴったりで、毎回楽しみにしています。
そして、ドラマが一話終わるごとに原作も一話ずつ読み返しています。
ドラマはおおむね原作に忠実に作られていますが、少し表現が違うところもあり、その違いを味わえるのも面白いなと思います。
いわば、一つの話を二度味わって、二度美味しい状態。
あと一話で終わりなのが寂しいですが、原作には続編もあるので、ぜひドラマでもやってほしいなと思っています。
ただ、続編には実写にできるかどうか分からないものが登場してくるので(ちなみに、私はその話が一番好き)、もしやるとしたらどんなふうになるんだろう?と気になっています。
でも、どうにか頑張って実写化してもらいたいな~。