ボストン美術館の至宝展
さて、去年から持ち越しのネタ第2弾です。
12/15に神戸で「ボストン美術館の至宝」展を見てきました。
ボストン美術館というと近現代の絵画や浮世絵というイメージがあったんですが、入ってすぐのところにあったのは、古代エジプト(ヌビア)の彫刻、宝飾品。
今回は同美術館の全体像を見せる展覧会で、こういった考古学的な美術品もあるのだと知ることができてよかったです。
しかも、どれも見事なもの。当時のハイレベルさに感心しました。
中国の絵画もあります。
「九龍図巻」というのがあり、猛々しい龍の姿ばかりではなく、岩の上で休んだり、若い龍が年寄りの龍に教えを受けたりという場面もあって、なかなか面白いです。
それにしても、年寄りの龍っていったい何歳なんだろう?(笑)3000歳くらい?
もちろん、ボストン美術館の代名詞ともいうべき近代絵画や浮世絵、日本美術もありました。
ゴッホの「ルーラン夫妻」は、奥さんのほうは一度見たような気がしますが(ただ、ゴッホは何枚か描いているので今回の絵かどうかは分かりません)、緑っぽい色遣いが面白いなと思います。ちなみに、だんなさんのほうは青色っぽいですね。
日本美術の目玉は英一蝶の「涅槃図」。
「涅槃図」は色々なものを大阪市立博物館などで見ましたが、集まっている動物が可愛いんです。とくに嘆く象がすごく印象的。
あと、何しろ情報の少ない時代の絵ですので、犀がまるでユニコーンのようだったり、豹をメスの虎だと思っていたり、そういうところにも興味が持てます。
それと、想像上の動物の中に迦陵頻伽がいるのはビビった!だって顔が人間の美女なんだもの。

これらの美術品を収集してきたのは主にボストン市民(それぞれに「○○コレクション」と、寄贈した人の名前がついています)。
いわゆる官の主導ではないところがすごいですね。
それだけ富裕な人がいたということですが、いくら富裕でも志が高くないとこれだけのものを寄贈できないですよね。

先ほど紹介した以外に、写真や現代アートもあります。
こんなにいろんな種類の美術があるので、今まであまり触れることのなかったジャンルのものも見ることができて、とても面白かった!
いつか、本場のボストン美術館にも行けたらいいなー。

P・S あまり神戸に行く機会がないので、神戸らしいことをしたくて(というか、神戸らしいものを食べたくて)、お洒落なカフェでランチ&美味しいケーキ屋さんも楽しんできました。
神戸は特に調べて行かなくても、おしゃれなお店や美味しいお店がたくさんあるので、どこに入ろうか毎回迷ってしまいます。
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'80sガーリーコレクション
昨年末、年内のことは年内のうちに済ませたいと書いておきながら、実は今年まで持ち越しになってるネタが…。
それは展覧会。しかも2つです(汗)。
まあ、どちらもまだ会期中なので、お目こぼしいただいてよろしいでしょうか。

1つめは、手塚治虫記念館の「'80sガーリーコレクション」。
これは宝塚大劇場に行った後、友達に誘ってもらって行きました。
正直、「'80sガーリーコレクション」といっても、「なんのこと?」と、ピンと来ていなかったんですが、展示品を見てビックリ!
私が子どもの頃、身近にあったキャラクターグッズやファンシーグッズがいっぱいで、思わずテンションが上がりました。
キティちゃんやキキララなど、現在でもメジャーなキャラはもちろん、「うちのタマ知りませんか?」や「タキシードサム」などすっかり忘れていたキャラもたくさんあって、「そうそう、こんなんあった!」と、友達といちいち盛り上がってしまいました(笑)。
ほかのお客さんも私と同世代の方がけっこういて、消しゴムやペンやポケットティッシュを前にして「そういえば、匂いつきとかあったなー」と、大盛り上がりでした。
同時に、こういうキャラ付きの文房具やハンカチ、ティッシュ、貯金箱、コップ等は、クラスのお楽しみ会のプレゼント交換や、お祭りのお神輿を担ぎに行った時の記念品で貰ったな~ということも思い出しました。
お神輿のことなんて今までほとんど思い出さなかったのに、こういうグッズを見ると一気に思い出すのは不思議です。
本当に童心に帰らせてもらったなと思います。
それにしても、こんなにたくさんのファンシーグッズ、「ホンマによう残してあったもんやな!」と感心(このニュアンスは関西弁でしか伝えられない…)。たぶん、うちの家や他の一般家庭にはもうあんまり残っていないでしょうね。貴重なコレクション、ありがとうございました。
では、もう一つの展覧会のお話も近いうちに書きますね。
国宝展
何やかんやでレポートが遅れましたが、今月の初めに京都国立博物館の「国宝展」を見てきました。
この展覧会は大人気で、私が行った時も20分待ち(と言っても、歩いてるうちに20分経つのでそんなに苦ではなかったです)。
人が多すぎて展示品が見えなかったところは諦めましたが、金印とか源頼朝像とかはわりとよく見えました(金印はサッと見るだけなら並ばなくても見えたよ)。
中でも、やっぱり興味があるのは歴史的なもの。
藤原道長の日記「御堂関白記」の原本があったのは嬉しかったな。
道長ってどんな字書いてたんやろ?と興味津々で覗いてみれば、まぁ~細かい字で几帳面なこと!
ほかにも、教科書で見たものがいっぱいあって面白かった。
「似絵」とはよく言ったもので、源頼朝像は思ってたよりリアルです。
彫刻や絵画もいいね。
東寺の兎跋毘沙門天は文様の立体感がすごい。
長谷川等伯の屏風は少し離れて見たほうが内容がよく分かりますね。
あと、陶芸ですが油滴天目は美しかった。瑠璃色の釉薬の上に飛び散る白い点がまるで星のようです。
どれもみんな二つとない名宝。
物自体から発せられるオーラというかパワーがすごいなと感じました。
それがズラーッといっぱいあるもんだから、思わずこっちが負けそうになる展覧会でした(笑)。
美術館ざんまい
今月は宝塚に行くことができないので、代わりにいろんな美術館に行くことにしました。
6日はあべのハルカス美術館の「北斎-富士を超えて-」、12日には兵庫県立美術館の「大エルミタージュ美術館展」を見てきました。
美術館のハシゴはしたことあるけど、毎週行くなんて初めてかもしれません。

まず「北斎」。
いや~パワフルでした!
北斎は90歳で死ぬまで現役で絵を描き続けていたので作品の数も多いです。
もちろん「富嶽百景」もあります。
「赤富士」と呼ばれる「凱風快晴」が最初に刷られたときはあんまり赤くなかったという意外な事実も。
赤というよりも薄い赤茶色で、赤っぽく見えるから「赤富士」だったんだろうけど、「赤富士」の呼び名が印象深くてどんどん赤くなっていったのかな?
ところで、北斎の肉筆画というのはあまり見たことがなかったんですが、今回の展覧会では刷った作品と同量くらいたくさん見ることができました。
筆跡が見えないような描き方のものもあるのに、筆遣いが伝わってくるようで、やはりパワフル。
北斎というとちょっと変わったオジサンという印象があるんですが、たしかにエキセントリックな面はあったにせよ、絵についてはとても真面目、かつ、とても熱中していたように思えました。
それにしても、海外に出て行った作品の多いこと。
100年ほど前、ヨーロッパでジャポニスムというものが流行しましたが、その時にかなり収集した人がいたのでしょうね。

「大エルミタージュ美術館展」は「大」というより「中」くらいの規模でしたが(笑)、国ごとにまとめられていて(フランドルやスペインはバロック、フランスはロココというふうに時代ごとにもなっている)、特徴が分かりやすく、面白かったです。
陸続きとはいえ、外国の名画をよくこんなにたくさん、しかもセンス良く集めたなと思います。
そういえば、ソ連の時代は個人が持っていた美術品を国有としたために(実質的な強奪だよね。おそろしい)、素晴らしい絵画がけっこう集まったみたいですよ。
全体的に見て、私はスペインの絵画がけっこう好きなようです。バロックで色彩や動きがドラマチックに見えるからかな。
あ、でも初めのほうに展示されてたティツィアーノも良かった(そういえば、ティツィアーノもスペイン王の肖像画とか描いてたな)。
「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」、写真で見た時はそうとも思わなかったんですが、実際に見てみると、彼の代表作「ウルビーノのヴィーナス」に表情が似てますね。
とか思っていたら、来年はプラド美術館展があるそうです。
今回、ベラスケスはなかったので、ベラスケスが見たいな~。
「怖い絵」展
25日に、兵庫県立美術館の「怖い絵」展を見てきました。
ベストセラーになった本が展覧会になるとあって、友達がお盆に見に行った時はものすごく混んでいたそうです。
今回はさすがに並ぶほどではなかったけど、次から次へと人が来る感じ。

最初のうちは「セイレーン」など、「女が男を喰う」(もちろん魔物とか魔女よ)モチーフが続き、「どんだけドMなんだよ~」とか思っている余裕があったんですが、そのうちに本当に怖いと感じる絵に遭遇しました。
ドガが描いた戦争の絵です。
思わず目を覆いたくなるような虐殺のスケッチに、ドガの激しい憤りが感じられます。
本当に怖いのは魔物ではなく人間です。機会さえ与えられればどこまでも残虐になることができる人間こそが魔物です。
やっぱり、歴史的な出来事など、現実の人間を描いたものが一番身に堪えたなぁ…。
たとえば「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。
政治的状況ひとつでこんなに若く美しい娘が処刑されなければならないという哀れさ、運命の残酷さ。
(けれども、ジェーン・グレイ自身は、みずから首を差し伸べる台を探している姿から、必ずしも死を恐れていないように思えます。わずか9日で廃位されたとはいえ、女王として気高く、潔く散っていこうとしているのかもしれません。)
また、「メデュース号の筏」。
(これは模写でした。さすがにルーブル美術館の目立つ所に展示されている本物は無理だったか…)。
ただ見るだけでも辛くなるような絵ですが、描かれた出来事については、「怖い絵」の著者・中野京子さんが様々なところに詳しく書かれているので、その話を思い出しながら見ると、まさに身の毛もよだつ残酷さ。
貴族たちによって筏に打ち捨てられた人々はどんな恐怖の中にいたのか、また、身分が下だというだけで、人間は人間をこんな目に遭わすのかと思うと、本当に怖いです。

「怖い絵」の本はとてもおもしろいため、この展覧会も最初はホラー映画的な興味で見始めましたが(でも私、ホラー見れないんだよね…)、実際に生で見て、人間の心に潜む「悪」ってこんなに恐ろしいものなんだとまざまざ気づかされました。
一番肝心なのは、その「悪」を起こさないようにするにはどうすれば良いか?ということなのかもねぇ…。

P・S  展示されている「ジン横丁」にちなんで、ミュージアムショップにジン(酒)が売られていたんですが、貧困とアルコール中毒を真っ正面から描いたあの絵を見て、これを買う人がいるのだろうか?と思ってしまいました(笑)。
まぁ、実際に売り上げを期待しているというよりは一種の洒落?諧謔?なのかな。