奈良国立博物館「白鳳 -花ひらく仏教美術-」
招待券を貰ったので、久々に奈良国立博物館へ行ってきました。

今回の「白鳳」展は、パンフレットを見た時から行きたいなと思っていたのですが、実際に行ってみて、やっぱり楽しかったです!
なにしろ、野中寺の弥勒菩薩や深大寺の釈迦如来、鶴林寺の観音菩薩(通称あいたた観音)など、見たかった仏像がいっぱい!
あいたた観音には、昔、泥棒がこの観音様を壊して金箔を盗もうと思い、金づちで叩いたところ、観音様が「あいたた」と言ったので泥棒は驚いて逃げ出した…という話があり、腰の横のあたりが叩かれたように若干へこんでいるのですが、研究の結果、元は如来像の脇侍だったという説が出ているそうで、腰のへこみ(?)は単に脇侍の特徴とも言われています。
まあ、最初の説のほうが面白くはあるけど(笑)、間近で見て「現実的に考えて、脇侍かもなぁ~」と思っちゃったり(笑)。
今挙げた仏像は全部奈良以外の地域のものなのですが、この白鳳時代は、河内や出雲といった先進地域から九州、東国に至るまでハイレベルな仏像が残っており、財力的にも文化的にもすぐれた豪族が各地にいたこと、渡来人が日本各地に海外の情報をもたらしたことなどを物語っています。

また、法隆寺に伝わる様々な仏像や仏具も面白かったです。
地元に住んでいるのにけっこう知らないものがたくさんありました。
六観音とよばれる六体の観音様(というか菩薩?)のうち、文殊菩薩と普賢菩薩を見ましたが、髪形が他の寺院の仏像とは異なっているのが興味深かったです。

そして、地元・奈良の白鳳文化といえば、もう一つ、薬師寺です。
やはり、薬師三尊像と聖観音像は白鳳美術の最高傑作だと思います!
ほかにはない繊細な描写と、気品漂う姿には時を忘れて見入ってしまいます。
聖観音は草壁皇子の姿を写したとも言われていますが、私はその母である持統天皇の姿を感じました(28歳で病死した草壁皇子がモデルとは思えないほど体つきが健康そうに見えるというのも、理由の一つなんですが…(笑))。
なんとなく、持統天皇ってこんな顔だったんじゃないかな~と思います。
薬師三尊像からは月光菩薩が展示されていたんですが、3メートル強という大きさにも関わらず、この上なく優雅で清らか。
とくに纏った衣紋の流れが素晴らしく、ずっと見ていたいほどでした。

私の感想はダイジェストみたいなものですが、この「白鳳」展は、有名な仏像から、寺院の壁をかざった塼仏や錦など、そして、末期をむかえた古墳の出土品まで盛りだくさんで、さながら「白鳳のワンダーランド」でした!
興味がある方はぜひ見に行っていただきたいなと思います。
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夏芝居
浪花の夏の風物詩、松竹座の「七月大歌舞伎」昼の部に行ってきました。
今年の昼の部は、「鈴ヶ森」「雷船頭」「ぢいさんばあさん」という、肩の凝らない、歌舞伎の楽しさを満喫できる三つの演目が並びました。

まず最初の「鈴ヶ森」は「お若えの、お待ちなせえやし」の台詞で有名な狂言ですが、今回初めて生で見ました(映像では、数年前に勘三郎さんと吉右衛門さんがされたのを見ました)。
孝太郎さんの白井権八は、若者のみずみずしさが印象的。
美青年というよりは少し女っぽい顔立ちですが(まあ、ふだんは女形だからね…)、表情をそんなに変えず淡々と、楽々と人を斬る姿に、「この若い子が、こんなことを…」というような凄みがあります。
雲助たちがバッタバッタと斬られていって、手や足や顔が取れちゃうところは、こわいけど、おかしい~!
そして、動きがいい!こういった演目は、動ける若手がいないと成り立たないですね。
錦之助さんの幡随院長兵衛は、駕籠の筵をパッ!と上げて姿を現すところがかっこいい!
つっころばしの二枚目がニンの人ですが、こういうのもいいな。
台詞の中に「高麗屋の長兵衛」とか「播磨屋の兄貴」など、錦之助さんがこの役を習ったであろう方々の名前が出てきたんですが、これはやっぱり人によって違うんですよね。他の人のも聞いてみたいです。

お次は、いかにも夏らしい「雷船頭」。
これは去年の歌舞伎鑑賞教室で見たので二度目です。
幕開きから明るく涼しげな雰囲気が漂っていて、見ているだけで楽しくなります。
吉弥さんの女船頭も美しかったけど、時蔵さんも美しいな~。江戸前の粋さがいいですね。
国矢さんの雷様、雲の上に戻ろうとジャンプしたり、隙あらばお酒を飲もうとしたり、必死さが可愛い!
女船頭の踊りを真似するところもすごくほほえましいですね。
楽しくて楽しくて、あっという間でした。

そして、昼の部最後の演目「ぢいさんばあさん」。
こちらも二度目の観劇です(最初に見たのは一昨年の南座の顔見世)。
いや~泣いた!笑いながら泣いた!
とくに、仁左衛門さん(人間国宝認定、おめでとうございます!)扮する伊織が37年ぶりに家に帰ることができて、嬉しさのあまり家の中を走り回りながら障子や戸を開け閉めするところ。
すごくおかしくて可愛いんだけど、伊織の気持ちが直に伝わってきて思わず涙があふれました。
それは、時蔵さんが演じる、るんにも言えることで、再会した場面では、年を取ってしまったがゆえのおかしみがありつつも、「この人は、夫が他家にお預けになったり、子どもを亡くしたりという辛いことを懸命に耐えながら(しかも一人で)、自分らしく生きてきたのだな…」と感じ、ジーンときました。
そして、歌六さん、上手すぎ!!
先月の歌舞伎座も感動しましたが、今回も良かった。
下嶋は性格的に悪いところはあるとはいえ、金を貸してあげた相手に「好かない」と言われ、その男のせいで死んでしまうんですから、ある意味気の毒な人間ですね。
本当は、彼は伊織と友達になりたかったんだろうねぇ…。
伊織の友人役は「えっ、こんな豪華でいいの?」と問い直したくなる面々が並び、演技の面白さも印象的(ただ、由次郎さんがかなり痩せていて、ちょっと心配になってしまいました…)。
るんの弟、久右衛門は錦之助さん。この人はいつまでも若々しいな~。拵えをすると息子の隼人さんとあまり変わらないかも(笑)。
でも、お芝居に深みというか「そうそう、こういう人いるよね」と思えるものがあるのは、さすがに修行のなせる業だと思います。
現実でも錦之助さんの息子、役でも息子という隼人さん(ついでに言うと、錦之助さんのきょうだいが時蔵さんなので、これも役と同じ)の久弥と、その妻きくの米吉さんのカップルは、微笑ましくて可愛らしいです。
米吉さん、さすがの「可愛すぎる女形」ぶり!奥さんの役でも可愛いなぁ~。
隼人さんの「はははっ」と笑う屈託のない若者ぶりも可愛い。
しかも、ふたりとも心優しくて、伊織にとっていい甥夫婦だな~。

それにしても、仁左衛門さんの「ぢいさん」ぶりがいかにもしっくりきていて、(失礼ながら)そっちのほうの年に近くなったんだなぁ…と思っちゃいました。
なんか、永遠に伊左衛門や与三郎と同じような歳のままだと錯覚してしまいがちなんですが(笑)、やっぱりそうではないんですよね。
でも、それは決して悪いことではありません。
歳を重ねてしみじみした趣が深まり、また、芸も深さを増し、何だか、ますますこれからが楽しみになってきました。
さて、次はどんな仁左衛門さんが見られるのでしょう。
ちょっとマリンテイスト
急に紺色のバレッタが欲しくなり、家にいる時間を利用してチマチマと作ってみました。
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私はマリンテイストなものが好きで、「ファッションに迷った時はマリンテイスト」という持論さえあるくらいなのですが(笑)、今回は何を作ろうか迷ったわけではなく、夏はもちろん、冬でも使えるようなマリンを目指して作ってみました。
マリンの定番である真珠をメインに、金ボタンと、上にポチッとつけたソロバン型ビーズがポイントです。
シンプルなので、マリン以外のファッションでも使えるかな。
忘れてたよ~
今月からブログのテンプレートを変えたんですが、なんか足りないな…と思ってたら、カレンダー忘れてたっ!
この前までのテンプレートは元から横カレンダーが付いてたんですが、今回からは付いていないんです。
カレンダーは「今日は何日か?」「何日にブログを書いたか?」を確認する時しか使わないんですが、あるのとないのとでは便利さが違いますね。
というわけで、カレンダー作りました。
初!ネイルシール
夏になって、サンダルを履くので、ペディキュアをしました。
今年はネイルシールに挑戦!
右足
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左足
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シールなので、爪のガタガタしている部分(過去に二枚爪になったことがあるので、磨いてもなかなかきれいにならないんです)をごまかすことはできませんが(笑)、貼ってトップコートを塗るだけというのは楽でいいですね。
ちなみに、店で売っていた中ではこれが一番おとなしめな柄かと思います。
ラインストーンのシールもついていたので、飽きてきたら上に貼ろうかな。
お江戸で芝居三昧 番外編 築地へGO!
今回の旅行は、歌舞伎座と帝劇の観劇がメインでしたが、合間には観光もしてきました。
歌舞伎座から徒歩圏内の築地に宿を取ったので、朝から築地場外市場でのグルメ散歩&築地本願寺へ。

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場外市場は朝8時の時点でもう大賑わい。
最近は中国からのお客さんが多くて、中国語で簡単な会話をする店員さんの姿も見られました。
私、築地は魚しか売っていないように思っていたんですが、意外と乾物の店も多いんですね。
やはり浅草海苔の本場だからかな。
ちなみに、お土産には、アサリやマグロの佃煮を買いました。佃煮も「佃島」からついた名前ですもんね。

そして、朝から海鮮丼!
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美味しい~!とくにウニが美味しかった。甘くてトロッとしてて、もう一度食べた~い!

いつもよりも大量の朝食を食べたので、お腹がいっぱい!
なので、築地本願寺へ散歩に行きました。
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私の家の宗派は浄土真宗の本願寺派なので、一応、ここの門徒ですね。
築地本願寺は普通の日本の寺のデザインとは違ってインド風なのですが、内部も畳ではなく椅子でした。

築地本願寺からの帰り、お腹がいっぱいだったはずなのに、好奇心に駆られてテリー伊東さんのご実家の玉子焼き屋さんへ。
100円でテイクアウトできる玉子焼きをいただきました。
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関東の玉子焼きは甘いのね。

こうして、意気揚々と帝劇へ。
ちょっと地下鉄に乗るだけですぐ着くわ~と思ってたのに、地下道で日比谷から有楽町へ出るのに一苦労。
同じところをぐるぐると回って遠回りしてしまいました。
まあ、無事に着いたんでいいけどね。
お江戸で芝居三昧② 帝劇編
歌舞伎座の翌日は、帝国劇場へ。
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観たのはこちら、ミュージカル「エリザベート」です!
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宝塚版はついこの間見たけど、東宝版はかな~り前、梅芸で一度観たきり(調べてみたら、梅芸で見たのはなんと14年前でした!もうそんなに経っていたのか…)。
さあ、今回はどんな感じなのでしょうか?

帝劇は、建物の前は通ったことがあるけど、中へ入るのは初めてです。
憧れの劇場だっただけに、「ほぉ~、これが帝劇か~!『今日は三越、明日は帝劇』の帝劇か~!」とあちこち見まわしてしまいました(笑)。
入るといきなり物販コーナーで、お菓子やジュースが売られていたりして、けっこう庶民的なのね(笑)。
2階の喫茶室はなかなか重厚な感じに見えたので、また今度行けた時にはここで食事もしたいなと思いました。
こういったステンドグラスがあるのも素敵。
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作られた当初の雰囲気がデザインにも残ってますね。

そして、念願の「エリザベート」。
これまで何回か上演されていて、東宝版でも宝塚版でも色々バージョンアップされているのですが、14年前に観たバージョンとは印象がかなり違いました。
もちろん、キャストも衣装もセットも振付も違うわけですが、一番変わったなと思ったのは、エリザベートとトートがダブル主演と言っていいくらい、比重がほぼ同等になっていること。
宝塚版「エリザ」には「愛と死の輪舞(ロンド)」という副題がついていますが、今回の東宝版は、言うなれば「生と死の輪舞」。
14年前に感じた「ヒロインのエリザベートと、彼女に絡む『死』」というのではなく、どちらも圧倒的な存在感を放つ「生」と「死」のぶつかり合い。
トートがぐいぐい迫れば、エリザベートが激しいパワーで追い返す、両者が火花を散らしながらも根底で惹かれ合う、非常におもしろい展開だったと思います。
次に、トートダンサーの使い方。  
14年前に観た時のトートダンサーの振付は、アクロバチックで目を驚かせるものだったのですが、今回は話の流れに沿って、彼らはトートの心であり、あの時代の情勢であり(トートは「死」なので、オーストリア帝国や王権制度の「滅亡」そのものでもあります)、不穏な空気であるということを見せた振付になっていたのではないかと思います。
ダンサーたちの踊りもまとまりが良く、トートの情念を表すかのように、固まって揺らめきながら踊るシーンが印象的でした。

この公演は主な配役がダブル(子役はトリプル)キャストになっているのですが、今回のキャストはこちら。
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タイトルロールでもあり、宝塚時代から16年ぶりにエリザベートを演じるお花ちゃんこと花總まりさん。
宝塚を卒業してから事務方をしていた時期などもあり、生で見るのはなんと約10年ぶり!
娘役を脱皮して、一人の女、一人の人間を表現する力強さ(声量も増したと思います)と、ドレスが似合うような元娘役の優美さが合わさって、宝塚で見た時とは一味違う新しいエリザベートになっていたと思います。
5年前に見逃してしまい、今回期待していた城田優くんのトート。
なんて美しい「死」なのでしょう!そして、なんて妖しくセクシーなのでしょう!
「耽美的」という言葉がこれほど似合うトートもなかなかいないと思います。
この人があの可愛いロミオだったとはとても思えない(笑)。
甘い歌声と、それとは裏腹な迫力のある動きで魅了してくれました。
今回のバージョンの配役が発表になった時、かなりのサプライズだった田代万里生くんのフランツ・ヨーゼフ。
まさかこの若さでフランツを演じることになるとは、誰も想像できなかったのではないでしょうか?(でも、この若さで演じるということは、やはり実力が認められているのだなと思います。)
最初に柩から出てくるシーンは、若いので、ルドルフが出てきたのかと思っちゃったんですが(笑)、単に「この人は品のある役が似合うんだろうなー」くらいの感覚で見ていたら、エライ目に遭います(笑)。
とにかく全身全霊で役に挑んでいる!
生真面目な皇帝の心の奥にある、熱く哀しい思いがあふれていて、「よくやった!」と言いたくなる熱演でした。
そして、こちらもサプライズ配役だった松也くんルキーニ。
歌舞伎で鍛えたよく通る台詞の声、凛々と響く歌声で話をぐいぐい引っ張っていきます。
女形姿の美しさからは想像もつかない、いかにもアナーキストらしい奔放な様子ですが、なぜか目が惹きつけられます。
とくに、エリザベートのエゴイストな一面(たしかに、「ルドルフの教育を任せてほしい」と言いながら、そのルドルフをほっぽって旅に出てるのはエゴだよね…)を語り、「おとぎ話じゃないんだ!」と叫びつつ笑う姿が印象的でした。
宝塚時代は見ていなくて、なんとお初にお目にかかる剣幸さん、美しく威厳あるゾフィーでした。
とくに、幼いルドルフに「皇帝には親も子も妻もないのです」と言い聞かせる姿が印象的。
この一言で、王家に生まれた者として、一国を預かる皇太后として、並々ならぬ覚悟で生きてきたゾフィーの気持ちがよく伝わってきました。
ウタコさんは、さすがに5年もの間トップスターとして活躍しただけあって、また退団後も女優として様々なジャンルの舞台を経験してきただけに、実力も申し分なく、その魅力を堪能しました。
古川雄大くんルドルフは、繊細な風貌と悲しみに満ちた目で、儚げなルドルフを好演(その儚げなルドルフに爬虫類のように迫るトートが怖かった(笑))。
声もわりと良く通るし、声質もなかなか好きかも。
大内天くんの少年ルドルフ、ちっちゃいな~!と思ったけど(でも、もう6年生らしい)、歌も演技も本格派で驚きました。
今は小動物のように愛らしいのですが、これからどんな青年になっていくのでしょう。
そして、未来優希さん&秋園美緒さんという、豊かな歌唱力を誇る宝塚79期の二人。
ハマコさん(未来)、マダム・ヴォルフめっちゃはまってたわ~!元男役の押し出しの良さがここで発揮され、セクシー路線ながら意外に当たり役です。
もう一つの役のルドヴィカは社交好き、にぎやか好きのご婦人といった趣でした。
そしてやっぱり歌が上手い!「マダム・ヴォルフのコレクション」もう一回聞きたいくらい(歌詞がヤバすぎだけど(笑))。
そんちゃん(秋園)、宝塚にいた頃から大人っぽい役がよく似合っていたのですが、リヒテンシュタイン夫人にふさわしい、しっかり者で気品のある雰囲気を身につけましたね。ちゃんと女官長という感じがしました。
エリザベートのお父さん・マックス公爵役の大谷美智浩さんは、幻想として現れるところでの「アデュー、シシィ」の台詞がよかったな。自由で、優しくて、温かくて、マックスそのものって感じ。
ほか、「ウィーンのカフェ」に振付がついたのが印象的。
男ばっかりのカフェですが(19世紀のカフェは実際そんなもんだったようです)、歌声もそろっていて、なかなかおもしろい場面になったと思います。

私は最初に宝塚版の初演を見て、その数年後に東宝版の最初のバージョンを見たのですが、その時に、脚色・演出の小池先生が「宝塚版との違いを出さねば」と試行錯誤しているように見えて、「最初に脚色したものにもっと自信を持っていいのに」と思ったんですが、宝塚版、東宝版と上演を重ねることによって「この線で行く」というのがだんだんと見えてきているのではないかと思いました。
それは単に宝塚版と東宝版の差違が縮まったというのではなく、「『エリザベート』という作品を、日本ではこう見せたい」というのがしっかりと固まってきて、今回それが明確に表されていたような気がしました。