江戸下町てくてく紀行
東京・日生劇場で宝塚の公演を見た翌日(9/20)、深川~両国を歩いてきました。名付けて「江戸下町『月の燈影』&歴史探訪ツアー」!なんだか、特定の人しか分からないような名前なので(笑)、少し説明しますと、『月の燈影』とは、2002年の宝塚歌劇団花組バウホール(宝塚大劇場に隣接する小劇場。若手や中堅の出演者・スタッフがメインの作品を上演しています)&日本青年館公演。江戸時代末期、「川向こう」と呼ばれた深川界隈を舞台に、幼なじみの二人の若者の再会と友情を「鼠小僧次郎吉」誕生秘話と絡めて描いた作品です。
私はこの作品が懐かしいのと、大学の卒論で「忠臣蔵」について書いたため、本所松坂町の吉良邸を見たいという思いでツアーを開始しました。

まず訪れたのは「深川江戸資料館」。ここは江戸時代後期の深川の町並みを再現してあって、それぞれの家の中に入って調度などを間近に見られる面白い博物館。八百屋や米屋、船宿、いろんな職業の人が住む長屋などがあるんですが、ほんとにリアルで、江戸時代の人の家に遊びに来たような気持ちになりました。
障子に「むきみ」と書いてある長屋の一角はアサリ採りの漁師さんの家で、ここは海が近かったんだな~と実感。
ちょうどお月見の時期で、船宿にお団子(びっくりするほど大きいです)やススキが江戸時代風に飾ってあったのも面白かったです。

江戸深川史料館①

隅田川の川べりも再現されてあって、そこはまさに『月の燈影』の舞台。主人公の一人である火消しの次郎吉の恋人、辰巳芸者の「喜の字」姐さんがあらわれて「わっちはここがいっち好きでござんすよ」とでも言いそうな雰囲気でした。

江戸深川史料館②


資料館で「むきみ」屋さんを見て、アサリが食べたくなったので(笑)、見学後、近くの佃煮屋さんで、椎茸入りアサリの佃煮を買いました。家に帰って食べたんですが、思ったより醤油辛くなく、まろやかでおいしかったです。

その後、道に迷いつつ深川をてくてく。回向院と吉良邸を目指しました。
回向院は『月の…』の中で賭場が開かれていた所。訳あって博徒となった主人公・幸蔵が根城としていた場所です。何かの本で読んだのですが、江戸時代の寺社は町奉行所の目が届かないのをいいことに、博徒がよく賭場を開いていたそうです。
相撲の本場・両国ということもあって、境内には相撲協会の力士や親方を供養する大きな「力塚」が。私と同じように観光に来たとおぼしき方がじっと見上げておられました。
驚いたのは、ここに「鼠小僧次郎吉」の墓があったこと!鼠小僧が実在したことは確かなのですが、原則的に罪人はお墓を作ってもらえません。おそらく明治以降に建てられたものだとは思いますが、次郎吉がそこまで義賊として慕われていることに感心しました(実際は義賊とはいえないのですが…(笑))。
『月の…』では、火消しの次郎吉が川向こうの裏社会をめぐるトラブルに巻き込まれて命を落とし、そのことで怒りに燃えた幸蔵が「鼠小僧次郎吉」を名乗り、大盗賊になったとされています。
幸蔵が根城にしていた回向院にある「鼠小僧次郎吉」の墓…。作・演出をつとめた大野拓児先生の粋なはからいを感じました。大野先生もこの墓に詣でたのでしょうか?

回向院・鼠小僧次郎吉の墓


回向院を出た後は、近くにあるという吉良邸跡に。地図では近かったんですが、通れる道がなく、さまよい歩いてやっとたどり着きました。
悪者のように言われる吉良さまですが、よく考えれば彼も被害者。中にあるお稲荷さんや護衛の武士たちの供養碑に手を合わせてきました。
そしてまた迷いながら(笑)回向院の前に出て、まっすぐ行くと、そこは国技館。場所中ということで華やかな幟が立ち並び、若いお相撲さんが続々と出てきます。中にはハンサムなお相撲さんもいたりして、思わずじーっと見てしまいました(笑)。

国技館前


昼食は両国駅前で、ちゃんこ鍋屋さんの昼のランチ(お刺身定食)をいただきました(場所柄、ちゃんこ鍋屋さんがすごく多いです)。量も質も思っていた以上に良かったし、何より楽しかったのはレジのオバチャンの江戸っ子らしい口ぶり。料金先払いなので「お刺身定食ください」というと厨房へ威勢よく「刺身一丁っ!」。関西人の私には下町情緒たっぷりでした。
下町情緒といえば、深川界隈のたたずまいは都会の真ん中にもかかわらず「ウチの近所」風。昔ながらの小売商店や町工場(このあたりは「木場」ということで木工関係が多かったと思います)があって、田舎と変わらない懐かしい雰囲気。「下町人情」も生きていて、私は花屋のオバチャンに江戸深川史料館の場所を教えてもらいました。
人情と情緒あふれる下町ツアー。楽しかったです!
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