お芝居二つ
土日は大阪で観劇三昧でした。

まずは土曜日。両親と伯母のお付きで松竹座「女ひとり」を見てきました。
ミヤコ蝶々さんの生涯を描いたもので、年配向けなのか、演出がゆるーいのが気になりましたが(暗転長いし…)、泣けるところもありました!
蝶々さんは波乱万丈の人生を歩んできたんですが、それを芝居にしようという企画が出たとき、いい面ばかりではなく、リアルな自分の人生を見せたいという意味で「こんなアホな女でも生きてるんやから頑張ろうと思う人もいる」と言ったのが印象的でした。
そして、80歳で亡くなった後、なんと死後の世界で一座を結成しようとして家族やかつての旅回りの仲間が待っていた!
結局死んでも舞台から逃れられないけれど、それこそが蝶々さんの進むべき道として描かれていたのもちょっと感動でした。

日曜日は梅田芸術劇場「黒部の太陽」。
これはすごかった~!
黒部ダム建設のためのトンネルを掘る難事業と、それを題材にした映画「黒部の太陽」を作るために、当時の五社協定に立ち向かっていく石原裕次郎さん達の姿をオーバーラップさせて描いた作品なんですが、単に「プロジェクトX」的なものではなく、黒部ダム建設に関わった人たちとその家族の、愛と葛藤を前面に押し出していて、人間ドラマとして見ることができました。
主演の中村獅堂さん&神田正輝さんをはじめ、キャストもお芝居の上手い人ばかりなんですが、とくに大地康雄さん、宮川一朗太さんの演技が印象に残っています。
あと、高杉亘さん(よくテレビでコワモテの刑事さんを演じてます)がかっこいい!獅堂さん演じる剛との男の友情、いいねぇ~!
神田さんの長女役・月影瞳さん(ぐんちゃん)は宝塚退団後かなり久々に見ましたが、相変わらず可愛くて綺麗。芝居巧者の実力を発揮して、気丈な娘であり優しい姉である由紀を好演してました。
子役時代から注目している伊崎充則くんはすっかり大人になったねぇ~。セリフの明確さがいいですね。
ドラマ「ウォーターボーイズ」で、ぽっちゃりしたコミカルな男の子を演じていた石井智也くんは、石原プロの名物専務・小林さん(通称コマサ)の若い頃の役。ハツラツとしていて、いかにもあの専務さんらしい感じです。
若手の金井勇太くん・水谷妃里さんはフレッシュな魅力がありました。
この作品はストレートプレイなんですが、飯場で「チャンチキおけさ」で盛り上がるところや、抽象的な結婚式の場面で「ケセラセラ」を歌うところが少しミュージカル風になっていました。
振付は元タカラジェンヌの若央りささん(みつえちゃん)。荒くれた感じのダンスが、勢いと楽しさの中にも、山の中の閉ざされた環境で昼夜を分かたず働き続け、バカ騒ぎする以外に楽しみのない労務者たちのやりきれなさを感じさせてくれました。
最大の見せ場である工事現場に水が溢れ出すシーンは、ほとんどもう滝のような状態で水が降ってきて、出演者も水びたし。あの水の中に入って止めようとする人たちは本当にスゴイ。あんな勢いと量の水が当たると痛いし重いやろうなー。
床は網状になっていて、そこに水が流れ落ちるんですが、水しぶきがすごくて、一幕が終わってからスタッフさんたちが掃除してました。
映画監督の佐々部清さんの舞台演出デビュー作品なんですが、トンネル型に切ったアーチ等大きいセットはシンプル、細部は映画監督らしくリアリティのある感じでした。
夜、楽屋のわびしいパイプ椅子に座り、兄の慎太郎や映画会社に電話をして必死で上演交渉する裕次郎(獅堂さん)が印象的で、スターでありながらも、なりふり構わず自分の夢をかなえようと努力している姿に、思わずジーンとしてしまいました。
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