ビロクシー・ブルース
前回のブログで少し紹介しましたが、昨日、「ビロクシー・ブルース」を見てきました。
会場のシアターBRAVA!は初めて行きましたが、どことなく、昔、東京にあった宝塚1000DAYS劇場(東京宝塚劇場改装中の仮設劇場。1998年~2000年まで)を髣髴とさせる雰囲気。
シアターBRAVA!
後で調べたら、旧MBS劇場で、2005年まで劇団四季の仮設劇場だったそうです。やっぱり最初は仮設劇場だったんですねー。

さて、「ビロクシー・ブルース」ですが、兵士たちの訓練期間を描いた作品ということで、映画「愛と青春の旅立ち」のような感じかと思っていたんですが、第二次世界大戦を背景にしていることもあってか、もっと過酷で切なく、ある種の「重さ」が心に残る作品でした。
多感な若者たちがただひたすら戦う兵士となるために、人間性を奪うような過酷な訓練と、人心が荒廃した兵舎での暮らしに耐え、やりきれない思いを抱えながらも絆を深めていく。けれども、そこを出た先に待っているのは訓練よりももっと過酷な戦場…。
ラストシーン、その後の若者たちの末路の悲惨さに涙が出ました。
同時に、そんな過酷な中でも、信じられるものを求め希望を探そうともがく姿に、若者らしい勢いや明るさを感じました。
だからこそ、より悲惨さが浮き彫りになるということもあるのですが…。

主役ユージンの佐藤隆太くんは、長セリフでは滑舌が少し気になりましたが、明るい雰囲気を生かした演技で精一杯生きる若者像を好演していたと思います。
ユージンと共に訓練を受ける5人も、それぞれまったく違うキャラクターを演じ分け、少しでも役に自分を近づけようとするような芝居に好感を持ちました。
とりわけ巧さが光ったのはカーニー役の尾上寛之くん。歌手を夢見ている設定なので歌うシーンもたくさんあったんですが、かなり上手かったし(アカペラであれだけ歌えるのはすごい!)、芝居も表現力がすごくあって引き込まれました。ミュージカル等でも活躍しているのかと思いきや、なんと舞台は今回が初挑戦!驚きました。
気になる忍成修吾くんは、寡黙で頑固な文学青年エプスタイン役。彼も初舞台なんですが、思ったよりも発声が良く、演技にも繊細な心の揺れと静かな迫力を感じました。それに加えて舞台映えする容姿で、これからも時々は舞台をやってほしいなと思いました。
鬼軍曹トゥーミー役の羽場裕一さんはさすがにベテラン!戦場で頭に重傷を負ったことが原因で心を病み、異常ともいえる過激な訓練を若者たちに施すのですが、恐ろしいことをサラリと言ってのけるところがよけいに恐さを感じさせます。
トゥーミーが突然任務を終了させられ、退役軍人病院に入ることになる前日、エプスタインに荒療治を施し、軍人としての心構えを叩き込むシーンが特に印象的でした。
彼のやってることはめちゃめちゃなんですが、突然居場所を奪われた男の葛藤が胸に迫ってきて切なかったです。

どちらかといえば地味な演目ではありましたが、たった9人でやっているとは思えないパワーと深さがあり、折にふれて登場人物たちのセリフや心情を思い出すだろうな…と感じさせる作品でした。
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