三月花形歌舞伎
昨日、南座で「三月花形歌舞伎」を見てきました。
演目は『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』より「角力場(すもうば)」、『曽根崎心中』、『連獅子』の3つ。いずれも歌舞伎を代表する名作です。
今回は獅童さん、亀治郎さんを中心とした若く勢いある花形役者の演技を堪能できます。

『双蝶々曲輪日記』は力士が主人公の人情話。
濡髪長五郎(獅童さん)と放駒長吉(亀治郎さん)、どちらも力士の役だけに「でけえ…」って感じですが(笑)、濡髪は堂々として物事に動じない「静」の演技、放駒は感情を激しく出す「動」の演技で、対比が面白かったです。
亀治郎さんは放駒のほかに与五郎という役もやってたんですが、これはナヨナヨとして人のいい典型的なボンボンで存分に笑わせてもらいました。
与五郎の恋人・遊女吾妻の松也さんもきれい。
あと、「長吉勝った♪」と手を叩きつつ出てくる相撲見物の人たちが可愛かったです。

『曽根崎心中』は言わずと知れた近松門左衛門の代表作。
今回は19歳の壱太郎さんが19歳のヒロインお初を演じます。
も~、ほんとキレイほれぼれするような女形ですね。
それにしても、今回見て、このお初という役が女形屈指の難役と言われる意味がよく分かりました。
ただ可愛い・キレイというだけではなく、芯が強く凛としたところを出さなければならない、きちんと精神性を表現しなければいけない役だと思いました。
お初を何度もつとめ、今回は監修をしている藤十郎さんの「教えてできるものではなく、本当にお初の気持ちにならなければできない」というコメントもうなずけます。
壱太郎さんは、演技全体ではまだ少し若さが勝ってしまいましたが、お初の芯の強さを表現することはできたと思います。これから何度も演じてどんどん輝きを増す「お初」になっていってほしいなと思いました。
徳兵衛は壱太郎さんの父・翫雀さん。やっぱりこの人は上手い!徳兵衛の人のよさ、ひたむきさ、純粋さが本当に良く出ていました。この役も精神性を表現しなければいけないハードルの高い役ですね。
リアリズムを旨とする「和事」の面白さを確認することができました。

『連獅子』は、歌舞伎といえばこの扮装を連想するくらい有名な演目。
今回は獅童さんの親獅子、松也さんの子獅子でした。
初めて生で見ましたが、毛振りはすごい迫力。毛先が客席に届かんばかりの勢いでした(実際、花道で振り始めたときは客席に届いちゃってました)。
間狂言の宗論は翫雀さん・亀治郎さんの達者さが光ってかなり笑わせていただきました。
3階で見ても迫力が伝わってきたのですが、一度1階席で連獅子を見てみたいなと思いました(でも高いんだよねー)。
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