壽初春大歌舞伎
壽初春大歌舞伎

23日に松竹座の「壽初春大歌舞伎」昼の部を観てきました。
演目は「土屋主税」と「男の花道」。
どちらも江戸時代に作られたものではなく、「土屋主税」は明治40年、「男の花道」は戦前の映画が初演と、比較的新しいものなのですが、わりとお馴染みな作品になっています。
明治以降に作られた歌舞伎は、近代の演劇の要素を取り入れているからか、人間ドラマが分かりやすく自然だなと思いました。

「土屋主税」は、「忠臣蔵」の外伝物で、吉良邸の隣家に住む旗本・土屋主税を主人公に、赤穂浪士・大高源吾、その俳諧の師匠・其角、源吾の親友・勝田新左衛門の妹お園らが絡む、討ち入り当日の夜のお話。
翫雀さん演じる土屋主税の爽やかな気性が舞台を感動的にしていました。
雪景色の美しさ、盆回しでのスピーディーな場面転換もよく、いかにも歌舞伎らしい雰囲気と人情、近代的な手法がうまく合わさっていたと思います。

「男の花道」は、一度見てみたかった作品なのですが、日本版「走れメロス」とでも言いましょうか、二人の男-名優・加賀屋歌右衛門と眼科医・土生(はぶ)玄碩の固い友情の絆を描いた物語です。
金勘定なしで自分の目を治してくれた玄碩の生命の危機に、舞台の最中ではありながら、何をおいても駆けつけねば人の道が立たないと訴える歌右衛門の熱意に観客が打たれ、客席を駆け出していく歌右衛門の姿に思わず涙してしまいました。

歌舞伎というと「難しい」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、こういう比較的新しい歌舞伎から入ると、とても分かりやすくていいかと思います。
夜の部には江戸川乱歩の「人間豹」を原作とした「江戸宵闇怪鉤爪」もありますので、こちらを見るのもいいかも(私も見たかったけど、金銭的にも時間的にも余裕がないのでまたの機会に…)。
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