映画「源氏物語」
日曜日に、公開されたばかりの映画「源氏物語」を見てきました(余談ですが、友達も偶然同じ日に見に行ってました
「源氏物語-千年の謎-」というタイトルがついていますが、「陰陽師・源氏物語編」とも言えるかも(後でプログラムを買って見たら、関連図書の紹介に夢枕獏さんの源氏物語関連本がありました)。
さすが安倍清明、物語の中にも入っていっちゃいます(笑)。
でも、時代考証はほとんど完璧だったし(名前の呼び方などは分かりやすいようにしているんですが、それはそれでOKだと思います。)、源氏物語をよく理解して作られているので面白かったです。
たぐいまれな美貌と高貴な身分を持った光源氏ですが、幼い頃に母と死別し、愛に飢えるあまりに、愛の修羅に巻き込まれ、愛を失い、そしてまた愛に飢える…。
そして、その飢餓感の背後には、思いがけず愛するようになった道長に政治的に利用されるという紫式部の満たされぬ思いがあります。
作品の中では、主に六条御息所の修羅の恋に紫式部の想いを重ねていますが、きっと源氏にも彼女の気持ちが重なっているんだろうなーと思いました。
ラストシーンで紫式部と出会った源氏は「どこまで私を苦しめるのか?」と問います。
式部は「あなたはその有り余る幸せの分だけ、悲しみを味わいます」と答えます。
たくさんの女性に囲まれていても、最終的には生別・死別によって、すべての女性に取り残されていく源氏の運命に、「人はどんなに富や権力や美貌を持っていても、決して幸せにはなれない」という哀しさを感じました。
よく「源氏物語の無常感」といわれるものですが、単に仏教的な思想というだけではなく、「いつの時代でも人間ってそうだよなぁ…」という普遍性を感じました。

光源氏を演じた生田斗真くん、その美貌が「光る君」にぴったり!
イケメンはたくさんいますが、美しい男というのはなかなかいないと思うのでこの人選は成功だと思います。
女君はもっとたくさん出してほしかった気もしますが、今回の人数だけでも個性が豊かなのでゴージャス感がありました(ロリコンだと思われる心配があるので、若紫を出さなかったのはある意味正解かも(笑))。
夕顔(芦名星ちゃん)は、世の男性に「一歩引いて男を立てる女」として人気がありますが(笑)、今回の夕顔は、ことさら男を立てるというのを強調するのではなく、夕顔の花のようにナチュラルに、あるがままに存在していて、そのたたずまいが美しいという感じになっていました。
藤壺の宮(真木よう子さん)との不義密通は、源氏が襲いかかるんではなく、「今宵一夜」のようだったのは新しいなと思います。
六条御息所の田中麗奈さんは、たぶん一番ハードな撮影だったと思うのですが、生霊になってしまうほど源氏を愛してしまったつらさをよく出してました。
藤壺は中宮(皇后)、六条も亡くなった東宮(皇太子)の妃で、東宮が生きていれば皇后になっていただろう存在。
そういった高貴な身分の人を、人間の業を持った生々しい存在として描いた紫式部は1000年前の人間ながら「新しい」人ですね(笑)。

P・S エンドロールで佐藤祐基くんが出ているのを知って「え?どこで出てた?」と思ったら藤原伊周(道長の甥)の生霊でした。周りに炎みたいな処理がしてあって顔が見えにくかったんですよね。

P・Sその2 場面の構図に漫画「あさきゆめみし」を髣髴とさせるところが少しあったんですが、別にパクるつもりはなくても、どこか影響を受けている部分があるのかな~と思いました。
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