団菊祭五月大歌舞伎
さて、ゴールデンウィークおさらいキャンペーンに戻りましょう。

5月5日、子どもの日に松竹座で「団菊祭五月大歌舞伎」昼の部を見てきました。
皐月の鯉の吹流しに団菊祭、粋を気取ってこの日にしちゃったー(笑)。

まずは、花形の競演。「菅原伝授手習鑑」より「寺子屋」。
3月に「熊谷陣屋」を見たときに危惧(?)していたとおり、ボロ泣き!!
源蔵(海老蔵さん)に斬りかかられた千代(菊之助さん)が振り向きざま、「息子は見事に菅秀才の身代わりを務めたか」と聞くところで涙腺崩壊です
あと、松王丸(松緑さん)の「笑いましたか」も泣いたなー。
今の時代ならばあってはならないことなんですが、幼いながらも主君のために命を投げ出した小太郎の覚悟が伝わってきて、もうホント、健気でやりきれない
そして、「わが息子」と呼ぶことも叶わない中で、彼の首を見つめる松王の気持ちを思うと、これが泣かずにいられようかと…。
かつて「平成の三之助」と呼ばれた三人の熱演が胸に迫りました。
そして、注目度上昇中の梅枝さん、女房もいいね!いつもの娘役やお姫様役とは声色も変えて、緊迫感のある演技でした。
前半で和ませてくれる亀寿さんの涎くりもよかった。実はこの方、新婚なんですが、ちょっとオバカな15歳の少年に見事になりきってました(春藤玄蕃役の実兄・亀三郎さんに扇子で思いっきり頭を叩かれていたんですが、さぞ痛かろうと思いながらも、兄弟ならではの遠慮のなさに思わず笑ってしまいました)。
いっぱい出てくる子役ちゃんたちもみんなめちゃめちゃ可愛かったです。

お次は団菊共演の「身替座禅」。
テレビなどで何度か見たことがありますが、この狂言はやっぱり楽しいですね。
お二人の様子がおもしろかったし、なんか可愛らしかったです。
菊五郎さんの山蔭右京は、浮気者だけど、どこか憎めない殿様。
酒に酔って浮かれた様子がとっても可愛いの。
団十郎さん扮する奥方玉の井の「なりませぬ」がいい(笑)。厳しく言ってるんだけど、ご亭主のことが大好きな玉の井の可愛さが伝わってきます。
太郎冠者の権十郎さんは、愛嬌たっぷりなフェイス(今までけっこうコワモテ系の役ばかり見ていたので、こんなに明るい雰囲気もある方なのだと驚き!)と身のこなしで、とてもステキな太郎冠者でした。
この役、ひょっとしたら権十郎さんの当たり役かもしれません。
あと、腰元役の巳之助さんがあまりにも可憐でびっくり!こんなにまろやかな雰囲気も出せるのね。

そして、「封印切」。
これぞ大阪での団菊祭ならではの演目。
当たり役である藤十郎さんの忠兵衛。
忠さんはぶっちゃけアホボンだと思いますが(苦笑)、藤十郎さんがやると上品で優雅で可愛いんですね~。
そして、台詞を言っているようには思えないくらい自然。忠兵衛そのままで喋っている感じ。
ご子息の扇雀さんのブログで、以前、東京でやった際、次の月に忠兵衛を演じるために見ていた勘九郎さん(そのときはまだ勘太郎さんでした)が「藤十郎のおじちゃま、どこで息継ぎをされているのかまったく分かりません」と言ったのを思い出しました。
楽しみにしていた菊之助さんの梅川。
やっぱり綺麗目元に色気があります。
忠兵衛が封印を切ってしまった金が他人のものだと分かった際、「どないしょう」とうろたえて忠兵衛を見る姿が、気を急かされる場面ながら美しく、風情がありました。
そして、特筆すべきは東蔵さんの絶品な花車方!
実は東蔵さんを生で見たのは初めてだったのですが、さすが、おじいさんから女形まで幅広く演じられる実力のある方はすごいなと感心しました。
三津五郎さんの八右衛門も「げじげじの八っつぁん」「総好かんの八っつぁん」と言われるような、意地の悪さをうまく見せていて、かなり見ごたえがありました。

さて、再来月の松竹座は七月大歌舞伎。
3月に南座で見た又五郎さん・歌昇さんの大阪での襲名披露です。
今回は口上も見たいなー。
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