無償の愛 ~「レ・ミゼラブル」~
三が日は家から一歩も出ないくらい引きこもってたのですが、この間の初春大歌舞伎からぼちぼち動き始めました(笑)。
昨日は地元の映画館で「レ・ミゼラブル」を見てきました。
今まで、「民衆の歌」「夢やぶれて」「星よ」「ON MY OWN」など、曲はたくさん聞いたことがありましたが、実は一度も舞台を見に行っていなかった「レ・ミゼラブル」。
原作の「ああ無情」は小学生の時に子供向けの本を読んだのですが、実はこんなにすごいテーマを持っていたのですね!
どストレートに「無償の愛」を描いたところに胸が震えるような感動があって、最後の「民衆の歌」に涙が出ました。
どんな人にも惜しみなく与えられる神の愛を知ったことよって、不幸な人生を背負いながらも、自らも無償の愛に生きようとするジャン・バルジャン。
彼は自らの罪が引き起こした運命に翻弄され続けますが、無償の愛を教えてくれた神のもとへ召される時は、きっと幸せだったのだと思います。
俳優の山本耕史くんが小学生の時、このミュージカルにガブローシュ役で出演していて、後年、何かの番組で、幼いながらこの作品世界に宗教性のようなものを感じたという話をしていましたが(山本くんと私は同年代。私が子供向けの「ああ無情」を意味もよく分からず漠然と読んでいた頃とほぼ同じ時期なんだ…と思うと驚きです!)、それはこのジャン・バルジャンや、彼に無償の愛を与えた神父の姿なのだなと思い至りました。

この映画は、従来のミュージカル映画のように後から録音した歌をかぶせるのではなく、舞台でのミュージカルのようにその場で歌う方式を取っています。
なので、登場人物の心情がそのまま歌に現わされ、息遣いでかすれる歌声や涙にむせぶ歌声に、舞台を見るかのような臨場感がありました。
ミュージカルというのは歌を聞かせるだけのものではなく、あくまでも芝居なので、このやり方はいいなと思います。どうして今までこういう方法をとってこなかったのか、不思議に思うくらいでした(音響技術がそこまで発達していなかったのかな?)。

舞台作品を映画にするときの醍醐味といえば、やはりリアリティやダイナミックさ。
この作品でも、冒頭の船を引くシーンの荒波(役者さんが溺れないのか心配になるくらい)や、バリケードを築くときにアパートの上の階から降ってくる家具のダイナミックさに目を奪われました。
全体を通して見ても、舞台のいいところと映画のいいところが上手く合わさった映画だったと思います。

P・S マダム・テナルディエを演じたのは、ヘレナ・ボナム・カーター。「英国王のスピーチ」の王妃役からは想像もつかないようなマダム・テナルディエで、この人はホントにものすごい女優だなと感心しました。
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