文楽「伽羅先代萩」
あたたかくなったかと思えばまた寒くなったり、かと思えば地震があったり(恐かったよー)、落ち着かない日々ですが、私は退職直後のバタバタからちょっとずつ解放されて、今のうちにできること(まあ、主に家事と遊びですが…)をやっておこうと、家の内外でエンジョイしております。

先日は久々に文楽を見てきました。
相変わらず資金は乏しいので幕見ですが、前回のように15分程度ではなく、「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」(こちらをご参照ください)を2時間ばかり。
いやー、幕見とは思えないくらい見ごたえがありました!

以前に歌舞伎で「先代萩」の半通しを見たので、ストーリーは分かっているのですが、前に上演されていない場面や、歌舞伎と文楽で演出が違うところもあり、それぞれ楽しめるという感じでした。
最初は「竹の間の段」。奥女中・沖の井が活躍する段です。
歌舞伎で見たとき、沖の井ってどういう人なんだろうと思ってたのですが、その疑問が解けました!
政岡もすごい女性ですが、沖の井もすごい。
当時の奥女中の心得のようなものが分かって、女性のパワーを感じました。
続いて「御殿の段」「政岡忠義の段」。
ここは歌舞伎でもよく演じられていて、涙なしでは見られぬ珠玉の名場面です。
それでも、前半は政岡がお茶の道具でご飯を炊いたり(人形が器用にお米を研いだりするとホントに可愛いんです)、若君のペットの狆が出てきたり(これもぬいぐるみみたいで可愛かった!)、若君と政岡の子・千松の子どもらしい様子など、御家騒動の緊迫感の中にも微笑ましさが漂います。
後半は若君を守るために千松が殺されたり、その辛さを政岡が我慢したり、ものすごく悲しい場面が続きます。
歌舞伎でやる以上に残酷で(歌舞伎は生身の人間がやるので、怖くなりすぎないように工夫がしてあるのだと思います)、胸が痛くなりますが、豊竹呂勢大夫の語りは感動的で、忠義のために子を犠牲にしてしまった親の、どうにもやるせない思いに涙が止まらなくなってしまいました。
最後は「床下の段」。
歌舞伎でもダイナミックな演出で人気の場面ですが、文楽でもセリ上がりがあったり、人が演じる大ネズミが出てきたり、とてもおもしろい場面でした。
この場面に出てくる荒武者は、歌舞伎では荒獅子男之助というのですが、文楽では政岡の夫で悪人一味に左遷された松ヶ枝節之助となっており、大ネズミの正体である悪人・仁木弾正も貝田勘解由といって名前が違います。
そういった細かな違いも興味深くて、ますます文楽と歌舞伎を見る楽しみが増えました。
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