文楽「双蝶々曲輪日記」
今月は歌舞伎でも好きな演目である「双蝶々曲輪日記」が文楽でかかるので、見たい見たいと思いつつも徒に時間が過ぎてしまい(最初は風邪で咳が止まらなかったので断念。次の週には体力がもたなくて断念…)、やっと千秋楽の前に行くことができました。
文楽を見に行くのはなんと一年半ぶり。

「双蝶々曲輪日記」は、歌舞伎で「井筒屋」「相撲場」「米屋」「引窓」を見ているので、ストーリーはだいたい知っていますが、今回あらためて見て「良いとか悪いとか、正しいとか間違ってるとか、そういうことでは量れない情愛ってあるよね」と思いました。
そして、特筆すべきは「八幡里引窓の段」の素晴らしかったこと!
どこがどう素晴らしいのか、素人ゆえ詳しいことは分からないんですが、すべてがぴったりとはまっていて、磨きぬかれた珠のような完璧さでした。
また、普段あまり上演されない「橋本の段」があり、歌舞伎を見た時にちょっとしか出てこなかった与五郎と吾妻にこういう物語があったのを初めて知りました。
妻・お照がいながら遊女吾妻と駆け落ちし、しかも妻の実家に逃げ込むという展開に、「こらあ!与五郎、ええかげんにせえ!」と言いたくなってしまいますが(笑)、三人の親が出てきて、子たちのために自分から犠牲を払って問題を解決(「与五郎と別れてくれ」と娘を説得する吾妻のお父さんの思いに打たれ、お照のお父さんは婿と愛人のために名刀を売って身請けの金を工面。与五郎のお父さんは娘同前のお照とその父に責任を感じて出家してしまいます)。
与五郎のやってることは感心しないけど(笑)、ここも、いいとか悪いとかを超えた親の愛だよね。

濡髪と放駒の人形は初めて見ましたが、放駒は顔がかわいいですね(笑)。
放駒が若いというのは歌舞伎を見た時から分かってたけど、濡髪も「若い者同士」と言ってたし、けっこう若い?放駒と喧嘩もしちゃうからねえ(理由はまあかっこいい感じだけど)。
あと、素敵だったのは、「引窓」でのお早。左右を振り返る動きに、しっかり者ながら無邪気な彼女の人柄が表れていた気がします。

久々に文楽を見ましたが、やはり、義太夫・三味線・人形の三位一体のすばらしさがよく伝わってきました。
またお正月に、幕見だけでも行きたいなあ。
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