ユトリロとヴァラドン
南座に行った帰りに、京都駅の伊勢丹へ寄って、美術館「えき」KYOTOで「ユトリロとヴァラドン 母と子の物語」展を見てきました。

私はユトリロの絵が好きでよく見に行くのですが、その母であるスュザンヌ・ヴァラドンの絵はほとんど見たことがなく、今回たくさん見られてとても良かったと思います。
そのヴァラドンの絵ですが、「上手い!」としか言いようのないデッサンの上手さ。
しかし、そこに「無個性」という言葉はまったくありません。
上手くて、個性的。そして、力強い。
色合いは濃く柔らかく、線は太く。
女性の優しさと強さ、おおらかさに満ちた絵でした。

そして、ユトリロ。
ユトリロといえば、あの、悲しみを塗り固めたような色調をイメージしますが、そこに至る前には、繊細で明るいものもあり、ユトリロにも印象派に影響された時代があったんやな~と思いました。
そして、意外な事実も。
ユトリロが描き続けたモンマルトルの風景は、実際に見た物より、絵葉書の写真を見て描いたものが多いということ(!)。
それでも、幼い日を過ごしたモンマルトルの街の質感は実に見事に表現できたそうですから、記憶力がよかったんでしょうね。

ユトリロとヴァラドンの絵に似ているところはありませんが、ユトリロは恋と芸術に激しく生きた母(幼かったユトリロを顧みることもあまりなかったと言われています)の影響を多大に受け、この母に対して持っていた、悲しみ、憤り、そして愛の入れ交じった気持ちが、彼の人生と彼の絵を形作っていたのだということを実感しました。
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