夕霧名残の正月
21日に、七月大歌舞伎の昼の部「夕霧名残の正月」を幕見してきました。
ホントに短い舞踊なんですが、美しくて詩情にあふれていて、いい一幕でした。
物語は「吉田屋」に出てくる夕霧と伊左衛門のお話なのですが、こちらのほうが先にできた話で、史実どおり夕霧は若くして亡くなっています。
恋人の死に目に会えなかった伊左衛門の元に夕霧があらわれ、二人で過ぎし日のように幸せに踊るが、彼女は幻で、四十九日の日に伊左衛門に会いに来たんだな…と皆が思いを馳せます。
たったこれだけといえばこれだけなんですが、藤十郎さんの伊左衛門の優美さ、雀右衛門さんの夕霧の透明感にうっとりと酔い、最後にはじんわり泣かせる素敵な作品です。
雀右衛門さんがこれまた亡くなった先代によく似ていて、一瞬、さまざまな狂言で共演した藤十郎さんに四代目が『せがれもお世話になります』と会いに来たかのように錯覚してしまうほど(藤十郎さんご本人は伊左衛門になりきっているのでそんな感覚はないかもしれませんが)。
ほか、ザ・上方な秀太郎さんのおふさ、優しい風情の友右衛門さんの三郎兵衛、息がぴったりな廣太郎さん・廣松さん兄弟の幇間なども楽しく見ることができました。
本当に美しい舞踊なので、また何かの機会に見れたらいいなと思います。
スポンサーサイト